さげのう

母が「しょっぱくて 全部 食(か)んねがった」と

「そぉびぢ(塩引き…新巻鮭)」を 半切れ 残した

茶漬けにすりゃ んまいのだけど

朝の 茶漬けは 森家 やっちゃいかん 験担ぎの中のひとつ

んだらば と 熱湯かけて すこぅし 塩抜きして

長葱と共に 卵焼きにした

「これなに?」と 母に 訊かれて

母が 残した そぉびぢ 塩抜きしたやつ と 葱入り 卵焼きだよ と こたえたら

横で聞いてた あんちゃが 一瞬「?」の 表情

そぉびぢ…そーびぢ…塩引き…さげのう つうか 新巻鮭だよ と 言い直したら

納得した

あんちゃは 比較的 方言を 用いずにいたので 

時々 言い直さんと 通じないことがあったりする

しかし 改めて 言ってみたらば「さげのう」の「のう」て なんだ?

きちんと調べる前に

「『鮭の塩漬け』…の『塩漬け』のとこが 省略されて 鮭の…から『さげのう』に なったんでねぇが?」と 母

そんな 今時の若いもんの 語尾のばしみたいな…

「頭まずらあっから 脳みそはいってる…の 脳でねぇが?」と 父

年末に お納めくだされ てことで 鮭納かもよ と わたくし

「なに言ってんのこの人たち?」の あんちゃ

落としどころないまんま

のんきに笑う 朝の食卓

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