たしかに 触れたのは その手だったのに
まるで 脱け殻みたいで
それでも てばなせなくて
あぁ わたくしは
あなたがほしいのではなかったのか?
熱のない ことば ごと
握りつぶせたら
この熱も 冷めるのか…
空蝉を 拾い上げたら
そんな 流行り病のような 若い日の 熱の 片鱗が
ちくり と 棘のように
立ち上がって 消えた
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