薄曇り
保育仕事
お散歩時間のおしまい辺り
しゃがんでるわたくしのとこ
Aくんが 覗き込む
「虫?」
ううん たま
「たま?」
のげしの ロゼットの真ん中辺りの 水のたまを さししめした
曇ってるけど ここに おひさま 届いて 光ってるんだよ なんてことも いってみる
「きれぇだねぇ さぁ 帰るよ おひさま ばいばい」
水玉に手を振って
まるで 先生みたいに わたくしの手をとって 立ち上がった Aくん
虫も 石も 木の枝も 水玉も 宝物だけれど
いまの その気持ち
なによりも 宝物だよ
こことこ いぢわる とか 乱暴さんなこと し始まっちゃってる Aくんだけど
きっとそんなこんな でこぼこが
日々 鋤き込まれて 耕されて
宝物の人になれる
がんばろうよ 周りの 大人たちよ
宝物を磨けよ