あらわれるおもい

雨足が強くなり

濡れないところへと 小走りして

ふと 見えない香りの 帯に 

やんわりと鼻先を撫でられた

なになになに?どこから?と

見回したら

街路に 銀木犀

そうかぁ ここいらは まだ 咲いていられる空気なのだな

一足先に 冬に向かうくにへと 帰る前

匂いに 呼び止められて

足留め

ほんのひととき 一季節まえに 引き戻されて

時間の流れの ちょ と 横の 淀み…しかし 澄んだ 溜まりのところで

洗われるおもい

ありがとう

またね

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