手を伸ばせば
容易く 届きそうで
あれこれと
逆上せたことを思い巡らせ
踏み込む前に
久しく音沙汰もないではないか と
一人相撲の 土俵にて
我に帰り
辺りを見回して
誰も見ていないというのに
しくじった猫の 毛繕いみたいに
居住まい正して
けほん などと 咳払いひとつ
しかし 勘違いも 甘美なる ひととき
いい夢見させてもらったよ
慰めなど くれるな
すすきのように 手を振る
遠い 秋の記憶
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