うるめ鰯耳石

書き物仕事して

夕食支度に 携わらず

呼ばれて階下へいくと

まいたけと豆腐のおすましと

うるめ鰯焼いたやつ

あとはおかかふりかけを 並べている父

メインを 父がやるときは

サイドメニュー 惣菜や 青物を わたくし担当することが多いのに

今回 降りても来ずに「なにやってんだ」と ちみっと 不機嫌

あぁ すまなんだ ちょいと 仕事が…と言いながら

取り急ぎ ほうれん草を湯がいた

週一くらいしか酒を 飲まずにいたのに

ここ連日 酒を飲んでいるぞ 父

いつもの晩酌という雰囲気と 若干違うのが 気がかり

鬱憤ばらし的には 絶対飲まない父であるけれど…

ふと「五十鈴が先に倒れるなんておかしい…そんなこと 考えてもいなかったんだ…夢と現実が ごっちゃになっているみたいだ…」などと 弱音のようなもの言い出したりもして

ぎょ

わたくしだってすぐにのみこめなかったさ今でもこんなはずでは…なんて思って立ちすくむさ…でもとにかく今は悲観とか楽観とかさておききちんと目の前の出来事を受けていくしかないのさ…

そんなこと言ったり

うるめ鰯から 耳石げっと~♪なんてみせたりして

「今日はそれで満足かおまえは」なんて苦笑いされたりもして

すこぅしほっとしたものの

食後 なんだか心配になり

あれこれ作業を 茶の間にもってきて やり始めた

「なんだテレビうるさくねぇのか?」と 訝しげに言うので

そんなに 聴こえねぇからかまわね…などと 書き物作業

やりながら

いっとくけど 五十鈴が先に倒れるなんておかしい…なんつって それに 対抗して父まで倒れたりすんの無しだかんな!!と 言ってみる

ふっ…と また苦笑いだけで なんもこたえなかったけど

口に出せただけでも まだ いいのかもしれないな…と思う

ごっちゃになってもいいから

みんなで ごっちゃのまんま やってこうぜ…なんつって

またワケわかんないこと言いやがってこの娘は みたいに思ったか思わないか

「明日は 植木屋さんくっから 早起きして お前の車 退けるの忘れんな」なんて しっかりさんなこといって 早々に寝た

うん 大丈夫だな

わたくしこそ 眠れない なんて ふざけたこといってねぇで

書き物 とっとと終わらせて

風呂入って 雑念禊すっかな

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