葛の花

なんとなく 気分が 斜め45°くらい 下向き
不甲斐なさが ちょ と 浮上したのにつられて
よからぬことやら 悲観の 相似形らか
あれよあれよというまに
芋蔓のごとく…
なんだか 何かを ずぞずぞと引きずるように 歩いている気分
なんてことないさ
一過性のものさ…と 振り払おうとしても
なんにゃらかが もやりと
胸のうちか
頭の斜め上あたりに 澱む
そんなこんな 惑っているうちに
己の無力感なんてものまで 揺り起こしてきて
あわわ
このままいくと なんの面白味もない 落ち込み気分に ずるりとはまりこむぞこりゃ…と
狼狽える
なにやってんだ!?
暇もてあましてんのか…そんな暇ないだろう
そんな うろうろ心持ちのところへ
ふ と 葛の花の 匂い
あ…もうこの季節だ…と ゆるむ
何かが すこし ほどける
そうだ 乗り越えられないと ぐにゃけそうなとき
むぅんとした 熱気を するりと 掻い潜り
鼻まで 届けてくれる この匂い
なにかをいつも ふいに 掬い上げてくれるのだ
そうして 乗り越えて 今にたどり着いたのだ
きっとまた なんとか なるはずなのだ
いわれのない自信と勇気みたいなものが
今度は 芋蔓ならぬ 葛かずら式に
づづづづづ…と 引っ張られるようにして 頭頂部を見せてくれたようで
嬉しくなる
うん 大丈夫
とりあえず 頷いた
進むよ

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