忘れないよ

呼ばれたわけではないけれど

また来てしまった

救われないものがあるとして

わたくしは それを救う方法を 知らぬ

知ったとて 救えるわけでもないけれど

そこに触れたかもしれない 命だったものを思って

手を 

心を 

ひたす

ゆっくりと 息をすう

はく

そのうち 口から 漏れでる ことばや 旋律は

誰かが 言いたかった

歌いたかったものかもしれない

そうして 受け取れたらいいな

そうすれば ほどけるものも あるだろうな

きっと またくる

同じ 雲のさまは 

見られないほど

離れてしまったけれど

おんなじ 夕陽

きっとあなたも照らしてる

一緒に見た あれやこれ

忘れないよ

あなたは 忘れてもいいから 

でも いつか ちょっとだけ思い出してね

いってらっしゃい

また この手に 胸に

帰ってらっしゃい

一緒に 照らされた 夕陽のいろみたいな 貝殻

今度会うときまで

磨いておくね

思い出だけでなく

これからの日々も 照らされるように…

その手と

ことばと

信じる よすがを

ありがとう

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