光に向かって

うっすらと かなしいきもち

お香の 煙ほどの

細い一筋なれど…

ふぁらふぁらと 手で 扇ぎのけても のけても

まとわりつく夜

そんなとき 誰かの 笑顔を思い出す

たとえば 昨日の お祭り現場で

「次に 流れる曲 知ってたら歌ってね」て 言ったら

最初から 最後まで 客席で 熱唱してくれてた 小さいさんたち

思わず 仕事忘れて

惚れ惚れ 見入っちゃったのよ

すごかったね 

素敵だったね

声をかけたら

「そんなことないよぅ~」なんて 

それもまた かわいかったね

あぁ そんな ささやかな やりとりに

救われてる

この先 互いに そんなこと 忘れたとしても

あの ひとときの ふふふ て 交わしあった 微笑みの うれしい ふかふかに 救われて また 次を 生きていくのだよ

この身と 心に 活かされてゆくのだよ

ありがとう

名も知らぬままの あなたたち

扇ぎのける手振りが

いつしか 光に向かって 

かざされるように のびてゆく

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