あなたの記憶をたどりたい

口に 呑み込みかかった 海草を 見せながら

店先に並べられ

何かを見つめていたであろう 今も 見張るような 輝きを携えた 目の奥にある

記憶の石は

耳をそばだてるものへ 語り始める時を 待つ

海草を手繰ると

溶けかかった 命であったものの 骨や 臓物が

また 海へと繋がるかもしれぬ 穴へと 流れゆく 

石が 請け負った 数々の記憶と

不変の 石へ 記憶されなかった あなたがたを

わたくしの 脳細胞の どこへか 刻んでおこう

そしていつかまた

やぁ あのときの!と

どこかで会えるかもしれない

遥かな先に

一点の 楽しみの光を 灯した

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