あげはたち いきる

なみあげは

ひらり と 

花もないところへ 舞い降りた

なにが?と そこへいってみたら

先日 羽が 一部 のびきらないまんま ふらふらと 草をわたっていた 

あの あげはだった

鮮やかな模様は そのまんまだけれど

全体的に 艶はなくなって すべてが 内側へと丸まっていくように 縮んで

既に 息絶えていた

あぁ あのとき 苺の花に そっとのせたら

くちもとの ストロー伸ばして ぐいぐいと 蜜を 吸ったのだったよな

そんなこと 思い出して ちょっと 泣く

さっきの ひらり あげはは

もう一度だけ 亡骸に そっと 触れるように 舞い降りて 遠くへいった

確認か?

お別れの挨拶か?

しんみりしてたら

近くの 葉っぱのとこで

若々しい あげはたちが まぐわっていて

先日 柚子の 新芽に 産み付けられた 卵たちは

続々と 幼ちゃんになって お目見えしてきて

あぁ うめよふやせよつなげよいちぞく…と 

うつむく眼差し

前方へと 引き上げられて

そうだね すすもうね いのち と

柚子木の 根元に 亡骸 埋めた

あげはたち

いきる

その姿に

手を引かれるように

また いきる ということを あらためて 受けとる

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