ひぼたんあかあか

緋牡丹

寄りて 見れば

赤すぎて

明すぎて

あかとは 何であったか と

目眩さえ覚えて

ふらつく 思いを

他の色に 寄りかかり

もう一度 あぁ 紅いのだな と たてなおす

いつもそうだ

あかは 一番 血迷う色なのだ

血が 迷う?

血が 持つ 色だからか?

自の色か 他の色か 惑うのか?

まだ 何も 色を見ておらぬときに 見続けていた まぶたの裏の色だからか

そんな思いの 迷宮に ぐるぐると 惑い

中にいるのか 

外にいるのか

足元揺らぐ 昼下がりであった

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