さがしもの

ずっと探し物をしていて

みつからなくて

もともと そのもののことなど きちんと覚えてもいないくせに(ありかさえわからぬのだ)

みつからない ということが

焦がれる 思いを 色濃くしてゆく

見失う程度のものなのさ と 諦めようとするものの

本当にそうなのか?実は もっと 重要な 役割が そこにあるのではないか?と

「探す」へと 踵をかえす

みつからないみつからない

濁り水に潜りて 手さぐるような 心持ち

足掻くほどに

更に 濁り澱み 見えなくなる

何を探していたのだったか?

ふと 我にかえり

ごぽごぽっ と 焦りの 泥水を 吐き出すように ひといきつくと

10年以上 目にしていなかったであろう 仕舞い込まれた 本の森の 奥の方が 開けた

そこには 探していたものはなかったけれど

あ~ こんな心持ちでいたっけなぁ なんて

かつての 心象風景なども 二重映しになったりして

焦りも ほどける

室内にいることが 冒険のようでもあり

なかなかに 愉しき

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