朝日に向かって

あさひにむかって…なんていうと

かつて じいちゃんが 毎朝やっていたことを 思い出す

あさひにむかって 敬礼  

軍人正章 

てんのうへいかばんざい 

ラジオ体操 

木刀素振り

いやいや 付き合いでやったことばかりだけど

あの 情けに厚くて まっすぐな 熱い血が 

薄まっていたとしても 受け継がれているかと思うと

ちと うなだれる心も 顔をあげて

からだの奥のあたりで

なんとなく 熱源のようなものが 

ぼこり と わき上がる気がする

自分がどうにも 情けなくて つまらんものに思えたりもするとき

誇れないのであれば

誇りに思う 愛すべき家族やら 繋がってくれている人たちのことを思う

一縷だとしても

それが 心持ちの 命綱みたいなものになったりするのだ

あさひにむかって おはよう を した

じいちゃん思い出しながら

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