木蓮誘惑

吸い込まれるところだった

木蓮の 蕊の

奥の奥

高い空が 遠退いて

それも 甘やかな 終焉…なんて

一瞬 よぎったのは

埋もれるように 奥にゆく

羽虫の 心だったのか

木蓮誘惑

道端の 落とし穴のように

油断ならぬ春

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