いぼどんぶり

昔「いぼどんぶり」て 呼んでる 丼があって

それが いつも わたくしに まわってきてた

いわば 欠陥品なんだろうけれど

これがあると 安心した

自分の くちもとの ほくろが 嫌で

からかわれて うなだれていたとき

わたくしよりちょいと大きいのが 反対側にある うちのばあちゃんから

「食うもん こまんねぇ いい『くろぽす』だがら じぃんだぃん(いいのだよ)」と 

笑いながら いぼどんぶりに おいしいものを たっぷり作ってくれてた

今だって そんなに 好きになったわけでもないけど

これあるからこその あれこれは 確かに 有り難くあって(食いもんに困んないとか そういうことでなくて)

まぁ 愛嬌だわな なんて 思ったりはしてる

久しぶりに いぼどんぶりが 健在であったのを 見つけて

おぅ 愛嬌あるやつめぇ なんて 撫でてみる

でこぼこあって おもしろいさね

自分のことも 撫でてみる

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