艶めく沈丁花

それは

しっとりした 肉厚の指を持っていて

うなじから 耳を なぞって

頬を 辿って 小鼻をくすぐりながら

吐息を吹き掛けるようにして

からだまるごと 抱き締めてくる

むつごとはじめのようで

しびれる思いのまま

わたくしのほうが 

吸い込まれてしまうのだ

艶めく 沈丁花の 香りときたら!

いつも 絡めとられるように

つかまえられてしまうのだ

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