生音

聴いてて 心地よいはずの音が

辛いことがある

この間 いただいた

オルガン石川さんのCD

聴いてる 途中で あれ?と 思いつつ

お礼方々 会いに行った

久しぶりに お会いできて

心身 きつい思いを なさりながらも

とびっきりの笑顔で 迎えてくださって

あれこれおしゃべりしたり 手回しオルガンや 足踏みオルガンの 演奏を 聴かせていただいて

あぁ やっぱりいいやぁ と

他のCDともども 何枚か 買った

…でも 帰り道 車で 聴きながら

あれ?と 思った

やっぱり なんとなく 心地よくない

で…再び また 気になることもあったもんで

会いに行ったのですが

やっぱり 目の前で 聴くと 気持ちがいいんだな

そこいらの 風とか 温度とか

もちろん 石川さんの 表情とか…

音に ふぁあぁん と 包まれる感じ

そんな話をしたら

石川さん 風や その日の 気候やら 旋律によって

ハンドルを回す加減を 違えているのだとおっしゃる

ただ回してるのではないのだよね

演奏なんだ

吹き口 それぞれから 吐息のように 吹かれる 風を操っているのだ

周りの風と 添う思いがなければ 到底できない

デジタルの 音処理というのは

そんな手触りの辺りを 削ぎ落としてしまっているのかもしれないな

うっすらだとしても やはり 有能補聴器オーティコンアジャイルプロライトミニさんを 装着するよりも

裸耳で 聴いた方が 音って気持ちいい

機械が できること できないことを ぼんやり うかべながら

やっぱり

生身と 生身って

でこぼこも

ざらざらも

すべすべも

掬いとっているものなのだよな と

しみじみ思う

そしてやっぱり 痛み 哀しみ…なんて言葉だけで言い表せないものを 抱えながらも

「うれしい」という 気持ちは 確かに届いて

なるべくこれからも そういう気持ち たくさんありますように と 願いながら

無力感を うっすら包む 表皮の辺り

ふぅわりと 撫でてもらえたような 風の音を背に

また来ます…と

静かに思う

そして CDよいですよ…ではなく

CD聴くと 生の音に触れたくなりますよ と 勧めるために

誰かにも届けたくて また CD買いました

生で聴く 前段階として いかがでしょか?

仲立ちします

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