そのままつないで

人前で 手など繋ぎたがらない人が

珍しく 繋ごうとしてくれて

でも その時 わたくしの手には 消ゴムがあって

ふ と 互いに 繋ぐに至らぬままの 

水底のよう 沈黙

…そんな場面で 目覚めた

あさきゆめみし えひもせす…ん?な 朝でした

その日の 保育仕事にて 散歩の帰り

来たときとおんなじ お手手つないで 帰ろうね のとき

ゼロちゃんAくん いつもなら 自分からしっかりと 手を握ってくれるのに 

大事そうに 両手に石を持っているから 手を繋げない…と 躊躇う顔になった

持ち続けていたくて ぽっけにも入れたくないなら

いいよ 今日は そのまんま お手手つないでいこうか と 

石を握る 拳まるごと 手のひらで包んだら

んっはっ♪て 満面の笑み

なんの問題もなく 園まで 帰りつけた 

あぁ あのとき 

夢の中の わたくしは そういってもらいたかったのかもしれない

夢の中だけでなく

まるごと受け止める気持ちが 欲しかったのだろうな

まるごと受け止めてゆくよ て 思えたらよかったのだよな なんて

夢の 飛沫の 一滴に 呑まれて

遥かへ たゆたうような気持ちになった 

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