「慌ててやっこだぁねぇんだ」

水曜朝

自分の中で 週のうち 一番 忙しないひととき という 位置付け

今朝も さほど 寝坊というわけでもなかったものの

間に合うだろか?なんて

もやっとした 不安に まとわりつかれ

とてぱたとてぱた

息も浅くなっとった

気づく度 深呼吸に つとめたものの…

父の 経管栄養 最後の 薬溶かし入れのための シリンジ(注射器みたいなやつ)

そろそろ 換え時だったってこともあって かたくてなかなか 吸い上げられず

焦りつつ

力任せに ぐおおぉむっ!などと 力み声出しつつ引っ張った

…らば

ぶぁしゅっ!!!と 引っ張るとこ すっぽ抜けて

水 跳ね散らかした

あが~

自分に 対して 腹立たしい思い 沸々させながら 拭いてたら

それまで 問いかけても 頷くぐらいで 声も出さずにいた父

「慌てでやっこだぁねぇんだ」と ぼそり と 言った

うおぉ

今日は 声出さない日なのかとも思っちゃってたので

なんだかびっくり

…と 同時に 気張りみたいなもの

ふぅ と ゆるむ

んだね 焦らず 落ち着いてやるよ どだばだすまぬ と言ったら

「んだ…慌てっごだぁねぇんだ」と また 言った

なんだか うれしくなって

茶の間の 母に 報告したらば

「さすが おどさん わがってんださ」なんて

それまで 眉間に皺寄せて 痛いの寒いのいってた母の顔も 喜びにゆるむ

あぁ 一人でなんか やってるような 気になっちゃってるけど

こうして ほぐしてもらったり

支えてもらってるんだよなぁ

生き合う…それが 暮らし

父の中の そんな 目線を 言葉を 覚醒させてくれた わたくしの おっちょこすっとこどっこいなとこも

言うなれば おかげさま なのかもな

ありがとうよぅ

でも 帰ったら シリンジは 交換しとこう

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