季節の足音聴きにいく

霜の装いも
すぐとける
畑の土 かりこりしてても
人参葉っぱ
生きてる
縮こまってないで
ゆるりと動いている 季節の足音
聴きにいく

生きてるものは
光に向かう
それだけなんだ
ずるくなんかないんだ
日向にたたずんで
ごくあたりまえのことを
あらためて 浴びる

届けようとしたものが
届くかどうかわからないけど
取り敢えずそれが 暖簾だろうが なんだろうが
手は伸ばしたのだ
だしちゃったもんは お任せするだけだ~
そんな のんきな気持ちで
竹林を 通る
木漏れ日が 竹の葉っぱ色
この足止まれ~などと
人のいないのをいいことに
神社で 一人遊び
変質者に注意札
立てられませんように

命だったもの
…土へと還って 次の命を 育てる
命に繋がっているもの
そんな姿が
ほんとうは 羨ましくてならない
己のちっぽけさなど つきつけられて
肩身など 狭めつつ
なんとか やってみるよ…なんて 誰にともなく 呟いて
土に 埋めた
また 違う形で 会おうね

神社で拾った 杉枝
鞄に挿したら
指揮棒みたいに
ゆんゆん揺れた
いい気分
この足で 歩く テンポだからだね
己の 歩く 速度も リズムも
自分で決めていいのにね
時々忘れるんだな
Tempo moriayako
杉枝に 思い出させてもらって
ゆんゆん歩く

40年くらいまえ前
父が この写真を 撮ってくれた場所を 踏んできた
変わってしまった姿の
でも 同じ足で
同じ場所を…
大人になった 境界線などなく
ずっと 地続きで 生きている
「あっ♪たけのこだ!!」といった あの瞬間の
気持ちの震えと
喉がなった感触も
生々しくまだある
このままで また 生きていってよいのだね…と
なんやら 安心感なんかも 生まれて
また 来ようと思う
変わってしまうけど
変わらぬものがある限り

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