まだ弾きこなせないから

弾いて…と 頼まれていたのに
練習を避けていた曲がある
PAVANE POUR UNE INFANTE DEFUNTE
「私が死んだらお葬式で弾いてね」て
あたかも 生きていたくないのよね…てな 匂わせかたをしたりして
心の狭いわたくし 腹をたてたりもしちゃったのですね
自分の意思で 心臓を止めることもできないぢゃん
身体は動いてるのに 頭で死ぬとかばっか言うな…なんて 毒づいて…
その後なんとか 生きていてくれたことに 胸を撫で下ろしながら
互いに 気まずいような思いになったのか
あまり 会わなくなった
練習をすることが その人の 死へ向かうきもちを 後押しするようで 怖かったのだけれど
見送る場所に いて欲しいと 望まれたことは
光栄なことでもあるのだな…と いまは 思える
そんなこと 覚えているだろうか
望むとか そういうことでなく
今 そのありがたさを ますぐに 受け止めて
ちょっと 練習始めることにしたよ
まだまだ 弾きこなせないんだから
とっとと 死んだりすんなよ!

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