吉川さんの投稿から〜現場の声を

現場の実情をみて きちんと伝えてくれる方のお話を 聞きたい人に届けるのも

今年の やりたいことのひとつ
よろしく

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【投稿その1】

原発作業員の危険手当のピンはねについて皆さん聞いたことがあると思います。

原発の仕事は元請け業者の下に2次、3次と下請け業者が並ぶ構図になっています。
実際には8次ぐらいまであると言われていますが表面化してきません。
なぜなら3次会社くらいまでの会社にその下の会社は所属する形になるからです。

イメージとしては上の会社の制服を着て作業するのです。
露骨な場合、TVのCMで見るような会社の技術員と称して下請けの人がその会社の制服を着ていたりします。

つまり見かけ上は下請けも3次くらいしか存在しないようになっていたりします。
原発で作業する元請け業者は作業前に必ず東電に作業員名簿というものと体制表とよばれる何次下請けまでいるかの表を提出する義務があります。

実際に監督していた私もその図書だけでは下請けの構図は3次くらいまでと若いころ思っていました。

長年、立地町村に住むにつれ、知り合いが原発関係者ばかりになった時、本当の構図を知ったのです。

知り合いが月によって違う制服を着て作業しているのを注意した記憶もあります。
その人は苦笑いでしたけど。

さて、よく耳にするのが東京電力がピンはねの状態を野放しにしているという話を聞きます。

それはちょっと間違いです。
まず第一に十分な金額を元請け業者にお支払いしています。
震災前から危険手当を含み他の業界では信じられないほどの金額を払っています。
例ですが、ちょっとしたタンク清掃で1000万なんて軽く超えます。
私が東電社員時代1000万では何もできないという認識でした。

次に元請け企業について下請け企業に危険手当を含み賃金を支払うようJビレッジにて講習会を開いています。

本来、発注者が請け負い企業の賃金支払いについて指導するなど異例なはずなのです。
労働基準法を守り雇用者は労働者を守る義務があるのですから。
これは労働基準監督署の仕事です。

じゃ実際に改善されているかというと、想像の通り全然です。
震災前より貰える賃金が減ったなんて話も聞きます。

元請け企業、また下請け企業のうち上層に位置する会社は目先の利益に走っているのではないでしょうか

ハローワークでは除染作業員の募集がでています。
最低賃金が30万です。これは楢葉町、広野町などの除染業務です。
福島第一での作業ではありません。
これには危険手当がちゃんと含まれているから高いのです。

福島第一で働く末端の作業員は20万ほどです。
これが実情なんです。

私が作業員なら除染の仕事やります。
だって福島第一でやってもお金にならないし、何より辛いですから。

近いうちに原発作業員が減っていくでしょう。
それは危険性からでなく賃金の低下から・・・・
一時の儲けを優先し作業員を確保できなくなったらその会社は存続できないです。
会社は社員があってこそ
大切にして頂きたいと思います。

世間から無関心にさらされ、低賃金で重労働を命がけで行っている人達がいます。

どうにかできないものか・・・
考えています。

【投稿その2】

白河郡鮫川村の放射能廃棄物焼却炉のいわき市説明会に行ってきました。

みなさん、いわき市ってかつては日本一広い市だったんです。
縦断するには下道で2時間くらいかかります。横にはもっと広いです。
そのいわき市の説明会がなんと田人町という所でやりました。
いわき市でも南のはじの山の中です。
今日集まった方の多くは1時間以上かけてきてくれました。

この時点で環境省、いわき市の誠意のなさがかいま見えます。

さて内容ですが、終始鮫川村の大楽村長が焼却炉の安心安全をうたい、住民が内容がないでしょと、ひたすらに返す場になりました。
この大楽村長実は前日に鮫川村の住民が反対するのであれば白紙撤回すると新聞に書かれています。
しかし、今日それを問い詰めると、今日の説明会で皆さんに納得してもらい、白紙撤回の話はないと明言するしまつ
その白紙撤回の言質をとった方が開場で暴露したもんだから、なお始末が悪いことに

環境省もいわき市の住民にはなぜ1時間当たり199k未満のゴミ処理能力かの説明を行いませんでした。
1時間あたり200k未満の処理能力の焼却炉は廃棄物処理法、環境アセスメント等が除外され誰の許可もいらず建設できるんです。
つまり住民説明を法的にしなくてよいようにするために行ったのは明白なんです
ま、私それを質疑応答の場でみんなに教えちゃったけど。

それに普通放射能廃棄物を燃やす場合、放射能測定器の設置と常時監視が義務付けられているんですけど、特措法のせいで8000Bq未満は一般焼却物扱いなのをいいことに関係ないという始末。それどころか原子力発電所の焼却炉に必ずあるこの設備を、発電所のゴミは高レベルだからついているんでしょとまで環境省がいう始末
私が燃やしていたゴミには現場で鼻かんだウエスとか低汚染タイベックとか、今除染している雑草なんかより低レベルの物燃やしていた時から、測定器はついていないといけなかったですけど。
しかも、これ経済産業省の省令できまっていることです。

この問題について質問というか、いわき市の住民にお伝えしました。
みんな初めて聞く話でびっくりしてましたね。
大楽村長にも、これが安全安心な焼却炉ですよ、鮫川村の焼却炉は放射能廃棄物を燃やす焼却炉としては安全ではないと言いました。
環境省はお詳しいですねなんて言ってきました。

18時から20時だったのですが、紛糾し質問者が並ぶほどでしたが、環境省の人間が無理やりマイクを取り上げ、「年配の女性でしたが、あやうく怪我をしそうでした。」
いわき市の司会の方が無理やり説明会を終わらそうとしました。

一人の男性が前に進み、いわき市の司会の方から逆にマイクをはぎ取り、質問が継続されました。
後は怒声とヤジの応酬、誰もが納得できない結果に・・・・・

初めて、こういった場に参加しましたが、住民の質問をのらりくらりとかわし
こちらが無知をいいことにいいことばかりの話で進める。
これは国が信頼されないのも当たり前ですね。

結局、大楽村長は住民の理解を得る為に説明会を開いたようですが、火にガソリンをそそぐ形で終わりました。
しかも、おそらく今日で終わりです。
焼却炉の運転が始まります。

皆さんの町にも、同じような小型焼却炉が作られます。
すでに北茨城で始まっています。

なんどでも言いますよ。原子力発電所で焼却炉の保全をやっていた身として、放射能廃棄物を燃やす焼却炉としてはチープな焼却炉です。
放射能廃棄物を燃やすのに放射能を管理する設備がないのですから。

さて余談ですが懐かしい方に現場で会いました。
元東電環境エンジニアリングの方です。
環境省に再就職していました、変な話ですが仲良く開場の後ろでしゃべりました。
私「自分で焼却炉やっていたのに、分かるでしょ。これじゃダメなの」
その方「法令違反はしていないですよね。」
私「そーいう問題じゃない、焼却灰のセメント固化も結局1F、2Fでできなかったし、特措法が
  悪いだけじゃん」
その方「それは分かるけど・・・除染も必要だし・・原子力は特別だよ」
私「違うって、放射能を扱う設備が特別なの。厳しい基準に合わせるべきでしょ。法令外でも」

顔が広いのが私の売りですが、環境省にまさか知り合いがいるとは
しかも同じ焼却炉を知っている人間なんだけど
結局大きな体制には逆らえないだぁと

私が東京電力を辞めて活動していることを褒めてはいただけましたけど

まぁ胃が痛いです。ほんと・・きりきりと

いわき市も大楽村長も信頼は地に落ちましたね。
こどもでも分かる苦しまぎれの言い訳ばかりでしたし
開場から失笑をかう場面も

ぜーんぶTV局に撮られてました。少しでもニュースになればと思います。

弱い人の声が政治に反映されないのは残念ですね。

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