音ではなかった
なにかがいる 気配のようなもの
真夜中の 茶の間
どこから紛れ込んだか
艶ぴか だんごむし
急ぐでなく
止まるでなく
ちててて て て て…と
畳をゆく
踏まれてしまわぬよう
植木鉢にでも乗ってもらおうかと
指を差し出したら
ころりん と 転がった
なんだか 軽やかなる いきかた
心強い思い
胸のうちに ころりん と 転がり落ちてきたみたいで
うん なんて 頷いてしまったよ
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