「じあんべくれぇ」

昔 すべての食べ物を ばあちゃんが作ってくれていた

ご飯も おやつも

んで 他の人が 台所に入ることは 

タブーに近かった

おいしかった あの味 この味

教えてもらったとか

手伝って覚えた なんてことはなく

ちょ と おぼつかなくなりかかってきた辺りで

見よう見まねで 作ってみて

探ったようなもの

でも 時折 訊ねてみたりしては いたのだよ

この美味しさの秘密は?なんて感じで

でも たいていのこたえは

「じあんべくれぇ」だった

いい塩梅くらい 適当に…てな 意味

しかし いま 

とてぱたと 日々の料理など 作るなかで

全く 分量など はかっておらぬ わたくし

もし「これは 何をどのくらい入れて 何分熱を加えるの?」と 訊かれたとして

全く答えられないかもなぁ と 思ったりする

三日前に 炊いた あんこ

ちみっと 塩っけが 多かったなぁ と 思う

だって 小豆の量も 砂糖も 塩も 時間も

「じあんべくれぇ」だもんな

ばあちゃん孫だなぁ わたくし

でも 台所には どうぞお入りくだされ なんだけど…

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