咲くように

入れ替わり立ち替わり…森家 入退院祭り たけなわだった 数年前

隣町の 病院へ 足繁く(車だけど)通ってた 道の途中

藪の陰になっているような家があって

そこの 入り口辺りに

いつも 椅子を出して 座っている ばあちゃんがいた

何かをしているというわけではなさそうで

「座っている」それ以上 それ以外でもなく まさに 座っていた

行きも帰りも

雨の日以外 日の差すうちは ほとんど そこに…

いつの日か 思いきって 話しかけてみたい気がしてた

話すことが あるわけでもなかったのだけど…

祭りも 一段落して

事なきを…若干の 事ありを得て

その道を通ることも まれになり

久しぶりに 通ったとき

ばあちゃんの姿は 見えなかった

その後 何度か通っても

みることはなくなってしまった

昨年だったか その家が なくなってしまって

ぽっかり 空地になっていた

なんだか 胸のうちにも 

そんな ぽっかり が 空いてしまった

今日 思いきって そこを訪ねてみたら

藪の陰 と 思ってたところ

思いの外 日溜まりでもあった

白と 赤の 椿 

あぁ あのばあちゃんの 座っているさまは

お花が 咲くということと 似ていたかもしれないな 

見上げながら そんなこと 浮かべる

今も どこかで 咲くように 座っているといいなぁ

胸のうちの ぽっかり に

ふと あのばあちゃんが 見えた気がした

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