Kくん
イタドリの 茎を 引っ張ってみたものの
びくともせず
「抜けないなぁ…手伝ってほしいなぁ…うんとこしょどっこいしょしたいなぁ」(『おおきなかぶ』の フレーズ…茎を引っこ抜くとき たいてい みんなこれを唱える)と
しゃがみこみ
うつむきながら ぶつぶつ呟き始めた
「Hちゃんにも手伝ってもらいたいなぁ…Hちゃん どこにいるのかなぁ」
明らかに わたくしに 聞こえるように 言ってる
仲立ちして 呼んできてもらいたい様子
Kくんは
自分の中の物語が 楽しくて
ひとりで おしゃべりしながら にこにこ 遊んでいることが 多かった
まぁ それはそれで ゆかいで 素敵ではあったのだけど
この頃
その ゆかいな世界を
おともだちと あそんでみたいなぁ と
小窓が 開いてきたような 感じ
いいぞいいぞ 応援するぞ♪
でも すぐに わたくしに 呼んできてもらおうなんつうのは
ちいとばかし 甘いぜ
…なんつって 他人には 厳しいことを求めてしまうのも 申し訳ないが
保育仕事モード てことで 許してけろ
その小窓が やがて 扉を開けてゆくことに 繋げるには
もすこし 自分のちからでできることを 増やしてみるといいんだよな
Hちゃんに 来てほしいなら よく見渡してごらんよ あそこで走ってるでしょ?追いかけて 聞こえるように 呼んで うんとこしょどっこいしょのこと 言ってごらんよ きっと お手伝いしてくれるよ
余計な アドヴァイスですけどね
わたくしの言葉に なんとしたもんか と
目玉 ぐるくるりさせながら 迷ったあげく
すっく と 立ち上がる Kくん
駆けていったものの
お誘いなれてないために
ちみっと すれ違いなどあり
あわや 残念な結果に なだれ込むか…てなところ
しかし 事情を知った さとこせんせから
Sちゃんへの こっそり助太刀 呼び掛けなどあって
Hちゃんともども 賑やかに
うんとこしょどっこいしょ大会 開催できました
茎は 抜けなかったのだけど
Kくんも
参加したみんなも
うきうきうれしそうであったよ
物事が どうにかなった ということより
どうにかするために 動いてみた…みんなで やってみた なんてな
宝物のひとときがあったのだからね
これからも その調子ぢゃ