ついつい 拾わずにはいられない
芭蕉の 花弁(…といって良いのかな)
なにかを忘れたような気になったとき
なくしものをしたような 喪失感に呑まれたとき
思いを
この花びらの船にのせて
あのきらきらしい場所へ また もどってみたりする
振り返って懐かしむだけでない
やさしい思い出は
進んでいくあとおしの手のひらみたいな温かさだから
前を向くために
後ろを向くこともあるんだな
そうしてまた 歩いていくよ
また 揺れることもあるけれど
揺れて揺らして 揺り籠みたいに 戸惑う思いなだめて
そうして生きていくんだよ