触れた思い出

触れたかったな

そんなことを思って 見上げたら

あなたから 触れてくれた

その 下唇ほどの ふれあいが

齧りかけの 形だけ残して

今ここに 見えていなくても

心強さを

踏み出す 推進力を

いつまでも 効き目のある 薬のように

とくん とくん と

その 鼓動の 速度で 注いでくれる

うなだれて

忘れそうになったら

思い出すよ

うけとった 命の 確かさ

しるして

あらわして

うけわたして

つないでゆくよ

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