もすこし待とう

みえているのに

みえない

きいているのに

きこえない

みようときこうと

さきばしって

やみくもにつかもうとする

あげく

わかりもしないのに

ことばをはりつけようとしたりして

かえってみうしなう

もがけばもがくほど

かきまわるどろみずたまりのように

あたりさえみえなくなってくる

空をあおいで

もすこし待とう

ざわめき泡立つ 澱が やがて沈んで

透明になった 上澄みに

その姿の輪郭が たち現れるまで

心じゃわめいているときは

いつでも 迷子のようになる

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