えのはな 再会

美術館へ 辿り着けたことも

ダリを巡るあれこれに 触れることができたのも

とてもとても 嬉しいひとときだったのですが 

帰り道に 嬉し懐かしいことが ありまして

危うく 他の記憶が すっ飛ぶところでした

土湯温泉周辺

やまこえたにこえ…の 峠のあちこちに

茸などの お店が あるのですが

よさげな茸買って帰ろうか と 立ち寄ったら

あああああっ!と 叫んでしまうかと 思った

「ねねねねね あんた『えのはな』だよねっ!?」と…

店で売ってるのは 見たことがなくて

かつて じいちゃんが めんこがってた「たいっつぁん」が よく持ってきてくれてた 茸

家族にも 行く先を 詳しく教えずに こっそりとってきていたという「えのはな」

このご飯が大好きだった

食欲なくても これがあれば 何杯もおかわりしちゃってた

一身上の都合で 行方知れずになってた「たいっつぁん」

そののち 戻ってきたものの 病に臥して 寂しく亡くなったとか…

30年も 前の話だけど

かつて たいっつぁんがやってた お店の 手拭いが 手元にあり

それを 見るたび あの にこにこ顔と えのはなご飯を思い出してた…涌き出す 懐かしさと よだれと共に

それが今まさに 実体として そこにあるではないの!

おみせの おんちゃんに「こっこっこっ これっ えのはなっすよね!?」と 咳き込むように 訊ねてしまいました

「んだよ」と なんてことなく 応じてくださってるとこに

訊かれもしないのに

大好きだったのに もう何十年も お目にかかれてなくてぇぇ…と

若干泣きそうになりながら 即 買い!

高いと 思わなくもなかったけど

そんなこともうどうでもよかった

早く これ持って 家中で 喜びたかった

まぁ これほどまでに 興奮するの わたくしぐらいかもしれないけど

えのはなご飯が 大好きだった じいちゃんと 魔法のように いくらでも食べられてしまう んまいごはんを炊いてくれてた ばあちゃんの仏壇に まず供えよう♪と

あちこちも少し フラフラしたい気持ちも雨散霧消して

帰ったのでした

帰るなり 美術館の あれこれ話さずに いきなり えのはなえのはな 始まった わたくしに

目を丸くする 家族ではありましたが

あの んまさを 懐かしく 思い出し

たいっつぁんのことやら

まなじり さげまくりで「あぁ んめぇ んめぇなぁ えのはなは さいこうだなぁ」て 食べてたじいちゃんの顔やら

その濃い 薫りとともに

茶の間に 満ちたものがあった

ばあちゃんほどには んまい具合に 炊けないかもしれないけど

今夜は 30年ぶりくらいの えのはなはご飯の 宴だ~♪

おかずなんかいらねええぇ(うまくたけなかったときのことを 余り想像してない…危険か?)

懐かしすぎて 胸 ぱんぱん♪とか 言ってたら

「あの峠のあたりで 買うときは しっかり値切って買った方がいいんだ」と 父

…ま そういうこともあろうがね

もう そういうこと 今回は 全く どうでもよいほどに 嬉しいのだから よしとする

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