食べ物に助けてもらう

ほんのささいな つまらん物言いで

こすれあう

父からも とげとげとかえされ

茶の間で つまみに…と 出した ほやを

「無理に 食わせるような気持ちのもんは いらねぇ」とまでいわれ

無理に食わせたい訳じゃねぇんだ さげるわ と

零下一歩前くらいの 声色で 片付ける

その後 ばんげの 支度をしながら

出したほやを 平らげ

ご飯始まったら なんていってやろう…と

毒にまぶした あれやこれやを ぐねぐねぐなぐなと こねくりまわす

知らず ものものの 扱いまで 粗雑になり

何度も 取り落としたり こぼしたり…

何をやっているのだ?

当て付けて ぶつけて 仕返しみたいなことをして

気持ちはすっきりするのだろうか?

わき上がる 苛つきは

発散しなければ 解消できないものだろうか?

突き進む先の扉を開けたら

何処へ出るのだろうか?

ぐねぐねぐなぐなし過ぎて 疲れた頃

秋刀魚も焼上がり

ご飯だぅ と 父母を呼び

無表情的 食事開始ではあったものの

今日の秋刀魚 脂のってるよ と 一言いったら

むぅ としてた父も「ん…んまいな」と 口を開き

「このほや 養殖じゃないって…たぶん 初めてだよ」と

もう一椀 造っといたのを 差し出したら

「へぇ 養殖じゃねぇのか」と つまんだ

「歯応えあるな」なんて 言いながら…

たぶんこれが ことばにはしてないけど

ちちと わたくしの「さっきはすまんまたなかよくやってこうや」てなことなんだな

いつまでたっても でこぼこ不器用だなまったく

食べ物に 助けてもらってやんの…

ば~か

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