今日をよろこびながら

父の状態は

予断を許さぬ感じから

すこぅし 安定してきたようで

しかし「今はこうです」と ラベルを 貼り付けられるようなものでもなく

日々いろいろ 違う

三日前は おこりんぼだった

声をかければ 目を 開くけれど

すぐ閉じる

呼び掛けに ほとんど 応えない

からだに触れたら

唸り声と共に 身動ぎ

痛いの?と 訊いたら

眉根寄せながら「ん゛ん゛ん゛ん゛…」と

痰が絡んだ 地鳴りのような 声

「脳のあれこれやった人は 性格が 怒りっぽくなったりすることがある」と あんちゃのときも 言われたっけな

幸いにして 更に穏やかに 楽天的になった あんちゃではあったが

母の時は 楽天的だったのが すこぅし 悲観的で 哀しいことばかり 注目するようにもなった

父は「喜怒哀楽」の「怒」担当か!?

んでは わたくし(一歳ちょいとしてから 硬膜下血腫 頭切ってる)なにがあろうとも そこから よろこびを見出だす「喜」担当か

…なんてなことを じわ と 思いながら

昨日 病院行ったら

目覚めてて

おいっす と いかりや長介風に 声をかけたら

くまちゃんぬいぐるみ的手袋を 持ち上げて応えてくれた

おおぉ

出血して後の 朦朧から 一番 覚醒してるような 眼差し

持ち上げた 手を見て「こいづなんだ!?」と 問うてきた

今までのことは 混沌のなかに 呑み込まれてるのだな

これまでのいきさつを ひとつひとつ ゆっくりと 伝える

すこぅし 驚いたような 表情

「病院なのか…」と 今知ったような 口振り

「喉 痛でぇ…」と つらそう

栄養入れるに 鼻から管を通しているせいもあるかな?

見舞いにこれない 母とあんちゃに 毎回 写真撮って見せてるんだよ 今日も撮るね と言ったら

「むうぅ」と 眉をひそめる

目を閉じてるの 多かったから 今日は 目あけて 笑ってみ と

口角に 触れたら

むにっ と 笑い顔みたいなの 作ってくれた

すげえええぇ!いい笑顔できんぢゃん♪

嬉しくて泣くとこだった

看護師さんによれば 今 安定剤は やめて

なるべく起きている時間を長くして

夜だけ 眠剤処方になったのだ と

この覚醒が どこかへ 呑み込まれたとしても

それはそれでいい

今日の有り様を 受け取って 喜ぼう

「怒」だけの 担当には させんぞ~

コメントをどうぞ