あらわして いきてゆくこと

胸の奥を のぞきこむ

もぐってゆく

さがす

あがく

引き上げたいものがあったはずなのに

音のない

光のない

海の底のような

泥濘のような

重いものに取り巻かれて

身動きできぬような 心持ち

そんなとき ふと 照らすもの

わたくしに向けられた光ではないとしても

どこかで何かを照らして

誰かが動いている

何かは 成されている 輪郭が 見える

それに 勇気づけられるように

また 手探る

何かに触れたような気がして

ひとあし

ひとうで

すすめてみる

やがて ぽこり と 浮き上がってくるもの

抱えて

洗い流したり

気持ちよく 持てるように 足したり引いたり削ったり補正したり

こちらではないところを照らす光に向かって 泳ぎあがり(溺れてるみたいだとしても)

水面から 顔をだす

やっと 息が吸える

こちらではない 光が

こんどは わたくしに当てられる

抱えたものが

形なしたものの 輪郭が みえる

受け渡した

ほんの ささやかにほのかな 重みの移動が

受け取ってくださったかたの 思い 動き 開き(時には 閉じ)をも

照らされる

そうしてまた 地上の 呼吸に戻る

つくってゆくことの 周辺

灯り 照らしてくださったこと

一人では越えられなかったこと

たくさんたくさん

ありがとうございます

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