夏の夜の話~ちょっとこわい~

これは わたくしがまだ 中高校生位の頃の話
何の用事があったか 暗くなってから ひとり自転車で出かけた
うちの周りは 新興住宅地・・・と言われていたわりには 街灯もなく
何枚か 残っている田んぼから うぃぎうぃぎうぃぎうぃぎ くくけけけ・・・と
かえるの合唱ばかりが聴こえていた
近所の Oさんちの二階の部屋の 明かりが 唯一の光源で
心細かったので ありがたいな~と 見上げた
おや ベランダに人が・・・夕涼みかな そんなことをぼやっと考えて そこを過ぎようというあたり なんか様子が変
その人影 足が地についておらず
手は 下にぶらりと下がってますわね
あれ?身体全体 ゆらりゆらり揺れてますわ ね ひゃあああああ~!
自転車 よらよらよら~っと 恐怖のあまり こけそうになりながらも怖いもの観たさで また見上げる
あがあああ やっぱり ぶら下がってるんだ首のあたりに紐があああ首つってますかあなた?頭ないじゃんかなんでだよおお~!?
ん?頭ない?
自転車止めて 改めて 見たら 
ベランダに ツナギ(作業着)が 干してあるだけなのでした
があああ おどろかせんなああああ~と 独り言大声で言ってしまいました
ひざがくがく笑ったまま 若干ちびってしまったかも・・・でも ほっとして うふぁふぁふぁふぁ~と 
魂抜けたような 笑い声あげながら 再び 漕ぎ出した
知らん人が 通りかかったとしたら
こんな 私の様子に 恐怖を感じたことでしょうな

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