匂いの記憶で 気を紛らせる

「やまびこ」に 乗ったものの

一番後ろの車両は「こまち」仕様であった

出来立ての感じ

漏れなく コンセント

広々 ゆったり

誰も乗ってこない

快適だけど

わたくしの苦手な 合成樹脂みたいな にほひ

からだが弱ってると

これで 更に 具合が悪くなるんだ

あまり気にしないように…と思いつつ

ささやかな抵抗 2重マスクなどしてみる

マスク持ってきてよかった

前 新品電車車両で そんな風になって 

冷や汗と 震えが きたとき

途中の駅で 隣に座ってきた 脂ぎっしゅ おっちゃん 

その あんぽんたん腐敗臭にも似た にほひが 鼻から 滑り込んだとたん

血の気が戻ったのだった

引いてゆく 冷や汗

人の持つ 匂いに 救われる驚きとよろこびに

寝たふりしつつ

おっちゃんの ほうに すこぅしかたむいて

鼻呼吸 クンクンしたっけな

そんなこと思い出して

哀しみに向かっていくであろう これからの心持ちの 震えみたいなんが

ちょ と やわらぐ

ははは

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