読む力を思う

『あいまいさを引きうけて 日常を散策するⅢ』清水眞砂子 著(かもがわ出版)

久しぶりに 付箋など 貼ったりする

言葉を 名前を書き出す

まてよ と 本棚の奥を探って 引っ張り出す

読みたくてたまらなくなり 新しい本を注文する

突き動かされて 自分の思いをまとめ直したくなる

…かなり 芋蔓式 次から次へと 転がり 行きつ戻りつの 心持ちで 読んだ

エッセイ的なもの

講演での 話

フィリッパ・ピアスさんへの インタビュー

鶴見俊輔さんとの 対話

寄稿

色々な形のものが 集められているけれど

それのすべてに 清水眞砂子さんの 思い

生きてきた 筋が通ってる

「あいまいさを引きうけて」ということばには すでに 33年前に 出会っていたというのに

すっかり 忘れ去っていた 己の 記憶力の 残念さ

乙骨淑子論の タイトルであった

清水さんは かつて書いたものについて 忘れ去ることなどしない

問いかけた以上 本当にそうであったのか?と 常に 問い直し続け

足りなさを 見つけ出し

更に 納得へと繋いでいこうとなさる

答えを 急がない

「こどもにむけて書かれた本を読む力をもつおとなは、日本の中にいて世界をつくりかえる余力をのこしている。」という 鶴見さんの言葉に

読む力のない大人が多数いることに気づいていた 鶴見さんの 眼差しに

かつて ご自分が 書ききれていなかった 足りなさに 震えるなどとは!

「人の褌で相撲をとる」という言い方で 評論家を 揶揄する人もいるけれど

人生をかけて 読み込み

その存在の 意味合いを

成り立ちの 思い

生み出された背景

ここにある意義

…そんなあたりまでも 掬い上げてゆく

問い直し続けて行く 覚悟を持って 論を生み出してゆく 清水さん

薄浅いとこで なにか語った気になってる 作家とか

これってこうかも!?なんてな 分析めいたこと 無責任に はりつけて いい気になってる 評論家風のやつとか

みんな 土下座して謝れっ!なんて 乱暴な気持ちになったりして

いかんいかん

浮かんだこと

引っ掛かったこと

わたくしも 問い直して

思いに 丁寧に 向き合ってゆけたらいいなぁ

雑なくせに そんなこと思う

良書なのに…

発行部数増やしてくれろっ!!と 強く願う(在庫なしなのですてよ…残念すぎる)

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